漫画スクールに年齢は関係無い

こぶしを握るポーズ

「漫画家になるのには年齢制限が無い」という話を聞いてから父の表情が変わったような気がします。
元々父はイラストを描くのが趣味で昔は漫画家を目指したこともあったと聞きました。
父の年齢は59歳でもうすぐ長年勤めた会社を定年退職することになっています。父がイラストではなく漫画をちょこちょこ描いてはじぃっと何かを考えるというのを何度も見ているとわたしとしては「何かできることはないか……」と思えてきます。
父に「出版社に持ち込んでみてはどうか?」と聞いてみると「そんなに実力は無い。それは昔に分かっている」と頑固に断られました。
それなら新人賞に勝手に送ってしまおうかとも思いましたが、さすがに父に内緒で送るのはまずいかなと思いとどまりました。
そして「漫画スクール」という言葉を目にしたのはわたしが仕事をしている時でした。
仕事でパソコンを使っていると画面の隅に漫画スクールの広告が出てきたのです。
社会人のための漫画スクール。年齢制限無し。定年退職後にデビューを目指す。
まさに父のための漫画スクールだと思いました。
さっそくわたしは漫画スクールの資料を請求して情報収集を始めました。
毎日漫画スクールに通うわけではなく、課題が出されそれをこなして次の登校日に提出する。そして課題の評価をプロの漫画家の先生から頂くそうです。
漫画スクールの講師は全員漫画家やイラストレーターなのでプロ目線でアドバイスをくれるそうです。
そしてわたしは漫画スクールの体験入学にまずは一人で参加してみることにしました。
父ほどの年代の人がいるのだろうか? 父は浮いたりしないか?
不安になりながらも漫画スクールに参加しましたがそんな心配は無用でした。
年齢が関係無いというのは本当で「社会人のための漫画スクール」と銘打っているだけはあるなと思いました。
年齢は様々でスーツで漫画スクールに通っているサラリーマンもいます。
わたしは漫画スクールの体験入学を終えて家に帰ってから早速父に勧めました。
趣味でもいいから一回ちゃんと漫画を勉強したほうが良い!
父はわたしの言葉に驚いていましたが「そうだな……」と呟いて漫画スクールの資料を読み始めました。
そしてその週末。
父は漫画スクールに体験入学に行っていました。
プロを目指す・目指さないも父次第ですが、漫画に興味があるなら漫画スクールに通ってほしいと思います。
父が描いた漫画がいろんな人に読んでもらえればとても嬉しいと思います。

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